2004-07-01から1ヶ月間の記事一覧

この足で

薄やいだ空の下 手を大地に伸ばす 重ねゆく日々とは 希望とは 一葉一葉(いちよう)を指の間に挟み その葉の数を数える 幸せのクローバーを探して 私には見出せない この幸せを 幾つもの過ぎ去った日々を 支えられた言葉さえも風に巻き 差し伸べられた手さえ…

感想

特有のボイラー音から機械室へと、私にはなじみのある場所である。巨大な機械な割りに人は少なく、すこし薄暗いなかで蛍の光の幻影を見る所から話が始まる。都会の騒々しい街からではなく、普段人目につくことのない裏側から、自然へと静寂さのつながりが見…

ストーリー

東京の工場で働いていた元は、教員試験に合格し山口県の常徳小学校に赴任する。若い新任の先生に、ワンパクな子供達は言うことを聞かない。校長にはすぐ先生になるというわけにはいかないと諭されるが、教頭には最初に舐められては困ると窘められる。その中…

登場人物

原作 「ほたるの星」宗田理*1(ISBN:4041602742)。原作には、比加里の母に関する話や父が登場したりと、比加里を中心とした話が含まれている。 脚本・監督 菅原浩志*2。 三輪元 小澤征悦。両親の離婚で孤独となった時、瀧口先生の愛情よって立ち直った経験…

背景

山口県防府市立華浦小学校の教諭が子供たちとホタルを甦らせた実話が元となっている。 蛍 田んぼや小川などに生息。田んぼなどのある人里に生息し、幻想的な黄色い光を放ち夏の風物詩として知られている。幼虫時代を水の中ですごし、土に入り蛹となり、成虫…

ほたるの星

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室生犀星について

「ふるさとは遠きにありて思ふもの そして悲しくうたふもの」と、誰でも知っているフレーズの詩を書いたひとが室生犀星氏である。室生さんは金沢生まれで、早くから親元からお寺に預けられ、13歳で地元の裁判所の給士として働き、21歳で上京し働きながら…

萩原朔太郎について

萩原さんの学生時代の経歴を見ると、入学したり退学したりを繰り返し、病気のためとはいえ不思議な学歴である。もちろん明治時代と今では大学の位置づけが異なり、誰でも入れるものではなく、よほど頭がよく、その上経済的に恵まれていなければ入れない時代…

中原中也について

中原さんの詩を詠むと、鬼気迫る大地への雄叫びと諦めと、氷のナイフで切り裂くような繊細な悲しみに触れることになる。前者は主に少年の頃を詠んだ詩であり、後者は青年の頃を読んだ詩が多い。 少年時代中原さんは、日清・日露戦争・第一次世界大戦が勃発す…

高村光太郎について

高村さんの詩は、学校の教科書で何篇か取り上げられいるはずであるがるが、学生時代にはあまり心打たれず、教科書外の詩を読むことはなかった。「千恵子抄」の中から「千鳥と遊ぶ千恵子」など2・3篇だったと思う。 改めて読み返すきっかけになったのは、「…

立原道造について

人はもっとゆたかに暮らしを営んでいくことができる。立原さんの詩を読み返して、ふとそのようなことを考えた。立原さんは建築家であり堀辰雄などの作家や詩人達の集まるコロニーであった軽井沢の追分村に「浅間山麓に位する芸術家コロニーの建築群」の構想…

室生犀星の年譜

明治22年 石川県金沢市裏千日町に生まれる。本名 照道。父、小畠弥左衛門、母、はる。生後まもなく、雨宝院住職室生真乗の内妻赤井ハツに貰われる。 明治29年 雨宝院住職室生真乗の養嗣子となり、以後室生性を名乗る。 明治35年 尋常高等小学校を三年…

中原中也の年譜

明治40年 山口県吉敷郡山口町に、父謙助、母福の長男として生まれる。軍医の父が旅順病院付けとなり、旅順に赴く。 明治41年 山口の自宅に帰る。 明治42年 広島市上柳町に移る。 明治45年 金沢市野田寺町に移る。 大正 3年 山口に帰る。 大正 4年 …

立原道造の年譜

大正3年 東京市日本橋区橘町に、商品荷造り用木箱製造業の立原家の次男として生まれる。父貞次郎、母登免。 大正8年 父貞次郎死去。店の看板が「立原道造商店」と改めれた。このころから、母と弟の3人家族で、店の仕事は番頭が采配を振るっていた。大正1…

感想

全体を通して言えば、最初の演出の不自然さと、ストーリーの単調さが気にかかるところであるが、リゾートとしての南の島ではなく生活の場としての南の島を取り上げ、ゆったりとした不思議なリズムと自然の美しさを伝え又表現し、今後島の観光の活性化に貢献…

ストーリー

オリンピック出場への夢を断たれた早苗は、就職活動を始めるがうまくいかない。そんな様子を見た顧問の先生は、沖縄のリゾートで臨時教員として働いてみないかと誘う。履歴書を書いて送ると早速合格。後輩や家族に見送られ飛行機に乗り、石垣島から船で島に…

登場人物

原作・監督 喜多一郎 北条早苗 大田月乃。オリンピック出場への夢を断たれた元体操選手。就職に困り、顧問の先生にだまされて竹富島で体育の臨時教員となる。始めは躓くが、特技である体操を子供たちに教えることを通じて、前田先生や島の人々と触れ合い、自…

背景

沖縄本島から南に約400km、人口約300人の小さな島、竹富島。そこは、珊瑚礁に囲まれたエメラルドグリーンの海!どこまでも続く広い空!古い琉球の町並みが広がる集落!伝統と文化を守る人たちが暮らしている。 場所 竹富島(mapion) 情報 竹富島 (沖縄 八重…

星砂*1の島、私の島

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萩原朔太郎の年譜

明治19年 群馬県東群馬軍前橋北曲輪町に萩原家の長男として生まれる。 明治36年 「文庫」5月号に短歌4首、「明星」7月号に短歌3首が載る。その後各誌に短歌を発表。 明治43年 慶応義塾大学予科1年に入学・退学。チフスにかかる。 明治44年 慶応…

高村光太郎の年譜

明治16年 現東京都台東区に、父幸吉、母わかの長男として生まれる。本名光太郎(みつたろう)。父は光雲と号し、伝統の彫刻技術を伝えた木彫家である。兄弟9人 明治30年 東京美術学校予科に入学。文学を好み、芝居に親しむ。 明治31年 本科彫刻科に進…

室生犀星氏

みやこのはてはかぎりなけれど わがゆくみちはいんいんたり やつれてひたひあをかれど われはかの室生犀星なり 脳はつかれてときならぬ牡丹《ぼたん》をつづり あしもとはさだかならねど みやこの午前 杖《すてつき》をもて生けるとしはなく ねむりぐすりの…

都にのぼりて

わが手にしたたるものは孤独なり 身をみやこの熱闘のなかに置けども 深深として夜《よ》はむせべるごとし したたるものは孤独なり 窓を閉《とざ》して なにものをか見出さんとするごとく 眼《まなこ》のみいや冴えかへる

平原

起きると紙にむかふ 紙は真白《ましろ》な平原になり 平原はけふもどこまでも続く いくら歩いても 行手《ゆくて》が見えて来ない どんな旅行でも これ以上永《なが》い旅はなからう 駱駝《らくだ》も 馬も 人さへ死にはてた平原に 吹きすさぶものは風ばかり…

並木町

茫《ぼう》として うつつを綴《つづ》る 夜霧の並木町 ぬれて歩めば ひややかに身は浮きあがる 輝ける巷《ちまた》のそらに 夜の並木に ああ 都にかえり来て 再びさまよひ疲れんとするか 燃えつつそそぐ夜の霧

小景異情

その一 白魚はさびしや そのくろき瞳《め》はなんといふ なんといふしをらしさぞよ そとにひる餉《げ》をしたたむる わがよそよそしさと かなしさと ききともなやな雀《すずめ》しば啼《な》けり その二 ふるさとは遠きにありて思ふもの そして悲しくうたふ…

桜咲くところ

私はときをり自らを懺悔《ざんげ》する 雪で輝いた山山を見れば 遠いところからくる 時間をいふものに永遠を感じる ひろびろとした眺《なが》めに対《むか》ふときも よき人の艶麗《えんれい》がにほうて来るのだ 艶麗なものに離れない 離れなければ一層苦し…

砂丘の上

渚《なぎ》には蒼《あお》き波のむれ かもめのごとくひるがへる 過ぎし日はうすあをく 海のかなたに死にうかぶ おともなく砂丘の上にうづくまり 海のかなたを恋ひぬれて ひとりただひとり はるかにおもひつかれたり

老いたるえびのうた

けふはえびのやうに悲しい 角《つの》やらひげやら とげやら一杯生やしてゐるのが どれが悲しがってゐるのか判らない。 ひげにたづねて見れば おれではないといふ。 尖《とが》つたひげに聞いて見たら わしでもないといふ。 それでは一体誰が悲しがつてゐる…

はる

おれがいつも詩を書いてゐると 永遠がやつて来て ひたひに何か知らなすつて行く 手をやつて見るけれど すこしのあとも残さない素早い奴だ おれはいつもそいつを見ようとして あせつては手を焼いてゐる 時がだんだん進んで行く おれの心にしみを遺《のこ》し…