2004-01-01から1年間の記事一覧

教室

友はもういない 祭りがひらける 目を取り 首切り 皮をむく 茶碗に土もり 泥の味噌汁を炊く かこめかこめ 机をかこめ 最初にいないのだーれだ 足を取られたのは私 手を切られたのは君 耳を忘れたのはあなた 影となったのは僕 皆の色が混じりだす 酒の水の中で…

歩けることに

青い 青い空の下で あなただけを見つめて 一年が過ぎていった かわらぬ笑顔を見せて 新しく生まれてくるものに 一すじの糸をたらし 天へと引き抜いてゆく春の日は 私にも空を見上げさせた 何も変わらないように地面を見つめ 空から落ちてきた赤や茶色の葉と …

貧者の巣

杉の柱が、世間の光をおおう 中学生までもが、我らを貧と見なす 近づく虫を、ことごとく手のひらでつぶした 彼らの仲間になるつもりはなかった 戸口から窓へ すずしげなる虫を 掴んでは放し リンプンを部屋にばらまいた そのような異国の感じ方もあるのだよ …

飯盛山:会津若松市

今週は出張で、会津若松市へ出かけていた。会津若松の地は、戊辰戦争*1において壮烈な決戦の地になった場所である。いくらかの空いた時間を利用して、その歴史の地を散策すべく飯盛山へと向かった。 飯盛山は、白虎隊の自刃地である。白虎隊記念館から引用す…

life is lovely

5月から、YAMAHA大人のピアノ教室に通い始めている。もちろん初めてであり、月に2回のグループレッスンであるのでまだあまり進んでいない。指の番号が書いてある楽譜を読んで、やっとこさ音を鳴らしている所である。最近登場した両手で別の動きをし…

わたしのカケラ

空の水差し うつむく私の影を映す こだまする 若き詩人の叫び 八月の青空に 私は歩いていた 川藻《かわも》に 足を絡ませながら 額《ひたい》の汗は 頬と首筋を滴り落ち 胸へと染みゆく 私は翼《はね》を広げ 水面《みなも》に指先をともすが 境界《きょうか…

 プロフィール すべての詩

詩集 流れる雲 〜心象スケッチ 東北から〜 詩人の心 〜詩を詠む時を見つめて〜 初期詩編・詩断片 短編小説 都会の悲しさ 自選詩 回転する願い 河原で汲み上げる物 ケヤキ並木 琥珀の思いに 幸いを探しませう 砂浜にて 友と探しに 冬道程 冬の王者 はじまりの…

 年譜 書籍

詩集 三人の処女 聖三稜玻璃 風は草木にささやいた(1) 風は草木にささやいた(2) 梢の巣にて(1) 梢の巣にて(2) 雲 その他の詩 光明頌栄 薄暮 詩のpickup 生い立ち・人生について 家族・友人について 人間の強さについて 好きな詩 自作詩

 紹介 年譜 書籍

詩集 秋の瞳 貧しき信徒 詩群 感触は水に似る 土をたたく 白い哄笑 鞠とぶりきの独楽 貧しきものの歌 ことば うたを歌おう 花をかついで歌をうたおう よい日 晩秋 信仰詩篇 詩のpickup 好きな詩

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詩 雨ニモマケズ 永訣の朝 無声慟哭 唄 風の又三郎(抜粋) 月夜のでんしんばしら(抜粋) 双子の星(抜粋) ポラーノの広場(抜粋) やまなし(抜粋) その他 注文の多い料理店(序)

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老いたるえびのうた 犀川の岸辺 砂丘の上 桜咲くところ 小景異情 自分の生い立ち 砂山の雨 並木町 何故詩を書かなければならないか 平原 はる 都にのぼりて 室生犀星氏 雪くる前 よく見るゆめ

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詩集 月に吠える(1) 月に吠える(2) 青猫 蝶を夢む その他 海豹 郵便局の窓口で こころ 詩のpickup 好きな詩

 紹介 年譜 書籍

詩集 山羊の歌 在りし日の歌 その他 お天気の日の海の沖では ポロリ、ポロリと死んでいく 幼年囚の歌 汚れちまった悲しみに… 詩のpickup 好きな詩

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詩集 愛する神の歌 父のゐる庭 或る遍歴から 詩のpickup 好きな詩

 紹介 年譜 書籍

詩集 日曜日 萱草に寄す 暁と夕の詩 優しき歌 その他 或る晴れた日に 旅人の夜の歌… 天の誘ひ ひとり林に…… ひとり林に…… 不思議な川辺で 詩のpickup 好きな詩

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値ひがたき智恵子 あどけない話 さびしきみち 樹下の二人 千鳥と遊ぶ智恵子 道程 東北の秋 十和田湖畔の裸像に与ふ 人に 冬が来た 冬の詩 山 レモン哀歌

 年譜 書籍

詩集 若菜集 一葉舟 夏草 落梅集 藤村詩集(序文のみ) 詩のpickup 好きな詩

 紹介 年譜 書籍

詩集 あこがれ(1) あこがれ(2) あこがれ(3) 歌集 一握の砂(1) 一握の砂(2) 悲しき玩具 その他の詩 蟹に ココアのひと匙 書斎の午後 辻 手套を脱ぐ時 夏の街の恐怖 物なやみ 破れた腰掛 歌のpickup 家族について ふるさとについて

コンテンツ

詩の紹介

平成16年7月の更新

自作(感人)の詩を追加 砂浜にて 自作(感人)の以前に詠んでノートに残っている詩を追加 イカロス ウミ 回転する願い 影 重なる夜道 異なる広さで この足で ザイン 就労旅情 終末の空 世界の広さ スロー 束縛 それでも人は ただ それだけ 旅 停滞 地下鉄の…

宮沢賢治について

岩手県花巻市の生まれの宮沢賢治は「銀河鉄道の夜」「注文の多い料理店」「雨にも負けず」など、たくさんの童話や詩を作りました。その中で編まれている内容は、岩手県の文化・風土、地質学を中心とした自然科学、農村コミュニティへの夢、日蓮宗への信仰と…

何故詩を書かなければならないか

自分は何故《なにゆゑ》詩を書かずに居られないか いつも高い昂奮《かうふん》から 詩を思はずに居られないか 自分を救ひ 自分を慰め よい人間を一人でも味方にするためか 詩を書いてゐると 餓死《がし》しなければならない日本 この日本に 新しい仕事をする…

よく見るゆめ

僕は気がつくと裸《はだか》で ひるま街を歩いてゐたのであつた こんなことはあるべき筈《はず》ではないと 手をやつて見ると何も着てゐない 何といふ恥かしいことだ 僕は何か着るものがないかと 往来《わうらい》を見まはしたけれど ボロ切《ぎ》れ一つ落ち…

自分の生い立ち

僕はあるところに勤めてゐた 僕は百人の人人と 朝ごとの茶をのんだ 僕は色の白い少年であつた みんな頬《ほほ》の紅《あか》い僕を愛した 僕は冬も夏も働きつづめた そのころ僕は本を読んだ 僕の忍耐は爆発した 僕は勤めさきを飛び出した 父も母ももう死んで…

犀川の岸辺

茫《ぼう》とした 広い磧《かはら》は赤くもみいで 夜《よ》ごとに荒い霜を思はせるやうになつた 私は幾年《いくねん》ぶりかで また故郷《こきやう》に帰り来て 父や母やと寝起きをともにしてゐた 休息は早やすつかり私をつつんでゐた 私は以前にもまして犀…

砂山の雨

砂山に雨の消えゆく音 草もしんしん 海もしんしん こまやかなる夏のあもひも わが身《みな》うちにかすかなり 草にふるれば草はさあをに 雨にふるれば雨もまさをなり 砂山に埋め去るものは君が名か かひなく過ぐる夏のおもひか いそ草むらはうれひの巣 かも…

雪くる前

凍《し》みて痛めるごとく はてしなく こころ輝き 枯木《かれき》のうへにひびきを起す わが君とわかれて歩めば あらはるとなく 消ゆるとなく ふりつむ我が手の雪を ああ 君は掻《か》く

千鳥と遊ぶ智恵子

人つ子ひとり居ない九十九里の砂浜の 砂にすわつて智恵子は遊ぶ。 無数の友達が智恵子の名を呼ぶ。 ちい、ちい、ちい、ちい、ちい―― 砂に小さな趾《あし》あとをつけて 千鳥が智恵子に寄つて来る。 口の中でいつでも何か言つてる智恵子が 両手をあげてよびか…

値ひがたき智恵子

智恵子は見えないものを見、 聞こえないものを聞く。 智恵子は行けないところへ行き、 出来ないことを為《す》る。 智恵子は現身《うつしみ》のわたしを見ず、 わたしのうしろのわたしに焦がれる。 智恵子はくるしみの重さを今はすてて、 限りない荒漠の美意…

十和田湖畔の裸像に与ふ

銅とスズとの合金が立つてゐる。 んな造型が行はれようと 無機質の図形にはちがひがない。 はらわたや粘液や脂や汗や生きものの きたならしさはここにはない。 すさまじい十和田湖の円錐《えんすい》空間にはまりこんで 天然四元《てんねんしげん》の平手打…